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ヒータ・センサ取り付け

2003/03/03

熱真空試験に備え、衛星の構体にヒータと温度センサ(熱電対)を取り付けています。

ヒータは太陽光が照射されたときの温度上昇や各機器が発する熱を模擬しています。これを取り付けた衛星を熱真空チェンバーに設置し、宇宙と同じように真空状態にしたうえで、温度の分布を計測します。

熱真空試験はそれらの温度分布が各機器の動作温度を超えないようにする熱設計の確認作業です。

人工衛星は軌道上に上がると、太陽光により200度ぐらいまで加熱されます。一方で、太陽光のあたらない部分はマイナス100度ぐらいになります。搭載されている機器は、マイナス10度からプラス40度ぐらいの範囲でしか正常に動作しないため、温度を調整する熱設計が必要になるわけです。

ですが、宇宙空間には空気がありません。そのため、温度は機器の間を伝わっていく(伝熱)か、熱が赤外線として放射される(輻射)ことでしか温度が移動しません。

伝熱を抑えるためには、機器間の接続に断熱スペーサを入れます。一方で、輻射を抑えるためにはMLI、高めるためには黒色塗装などを施します。光ファイバージャイロなどは、温度変化の影響が大きいので、断熱スペーサとMLIで厳重に断熱をします。